夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

グレンモーレンジ18年

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今回は不思議と今まで取り上げてなかったグレンモーレンジにしたいと思います。日本でもお馴染みでファンも多いグレンモーレンジ。バーや店頭でもオリジナルはよく目にしますね。グレンモーレンジといえばバーボン樽熟成。果実感やフローラルさに定評があり、万人に愛されるブランドです。

そんなグレンモーレンジは2004年にモエヘネシーディアジオに買収され、今では流麗なボトルデザインに変更になり、ブランドを前に押し出してプレミアム感を強調するようになりました。すっかり上品になったグレンモーレンジ、中でも熟成がいい感じに進んだ18年を飲んでみたいと思います。

開封してみます。まずはシェリー、フローラルが香り立ちます。次いでナッティーさが顔を覗かせ、奥に少しの潮っ気も。口に含むとスムースに、ピーナッツバターのよう。余韻は長く、トースト感をベースにクリーム、メープルの甘さが続きます。華やかさと深みのバランス、バーボン樽熟成の完成系ボトルの1つだと思います。

丁寧な作りで飲みやすく、好感が持てる1本ですね。グレンモーレンジのオリジナル(10年相当でしたよね)と比べると香りの系統は似ていながらもより幅が広がっており、味わいや余韻はグッと深くなっています。口当たりはまろやかに、アルコール感はほとんどありません。18年熟成の価値が存分に表現されています。


【香 り】 フローラル、ナッティー
【味わい】 ピーナッツバター
【余 韻】 メープル
【短 評】 これぞバーボン樽熟成
【飲み方】 ストレート、少しの加水

 

 

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サントリー EXPO '70 従価特級

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先日、大阪万博絡みの施設で個人的に大きなイベントがあったので、いいきっかけだと思いましてこのボトルを取り上げてみたいと思います。サントリーが1970年に開催された大阪万博の開催記念に発売したEXPO '70です。1970年というとローヤルは発売から10年が経っていますが、山崎はいまだ発売されておらず、白州や知多はまだ建設されてもいない頃です。つまりそんな頃のブレンデッドです。

開封してみます。やってしまいました。久々にコルク粉砕です。慎重に折れたコルクを取り出し、目視では確認できなかったものの念のため茶こしで2度ほどフィルタリング。ふう、飲むまでに一苦労です。気を取り直して香りは樽感、奥からバニラやレーズンのようなほのかな甘さが。口に含むと薄めたシロップにスパイス。余韻は控え目にナッツ、ドライさも感じられます。

特級時代のローヤルとオールドの間ぐらいな印象ですね。この時代のリザーブは飲んだことがないのですが、確かリザーブが1969年発売でかつ大阪万博に向けて開発されたものだとすると、案外中身はリザーブなのかもしれません。サントリーのブレンデッドらしくピートやスモーキーさはなく、ストレートで飲むより加水した方が甘さが伸びてきます。

 

【香 り】 控え目にバニラ、レーズン
【味わい】 薄いシロップ
【余 韻】 スライスしたナッツ
【短 評】 リザーブ?
【飲み方】 ロック、水割り

  

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