夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

ブラックニッカ ディープブレンド

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せっかくですので乗ってみます、このビッグウェーブに!(いや、そんなビッグウェーブでもないかw)てなわけで売ってたので買ってきました。ニッカ久々の新作、ブラックニッカ ディープブレンドです。リッチブレンドが置いている店には大抵置かれることになるでしょう。700mlのボトルはイオンリカーで1,700円でした。ブラックニッカでは一番の高級品になるのかな?

ニッカは大幅な値上げとシングルモルトの終売・再編を控えており、まさに過渡期にあると言えます。ブラックニッカも再編の波を受け、8年は終売、スペシャルも終売は免れたものの、販売には力を入れておらず、早晩終売になると思われます。実質的にはエントリーのクリア、甘さを強調したリッチブレンド、深みを押し出したディープブレンドの3ラインに収斂していくでしょう。

そのディープブレンドですが、まだミニボトルがラインナップにありません。小売店への展開を考えると、ローンチ段階でミニボトルを用意しておいた方がいいと思うのですが、生産能力の限界を指摘されている昨今のニッカにあって、手間のかかるミニボトル生産の余力はないのでしょう。8~9月に予定されている値上げ・終売が落ち着くまでは様子見ですね。

早速開封してみます。売り文句ほどには香りはしません。くんくんと何度かしてるうちに奥の方に余市っぽい香りがします。ストレートで口に含んでみますと、若い樽感のあとにほのかな甘さと雑味が感じられます。アルコールは45度ありますが、刺激はそれほど感じません。余韻はあまりありませんでした。

数滴加水してみると、雑味が消えてまろやかさと甘さが前面に出てきました。リッチブレンドは加水するとすぐにボヤけてしまったのですが、ディープブレンドは度数が45あるので加水にも耐え得るようです。むしろ雑味が消えて本来の味わいが楽しめる加水~割りがディープブレンドの主戦場といったところでしょうか。


【香 り】 薄ーい余市
【味わい】 若い樽とほどよい甘さ
【余 韻】 あまりなし
【短 評】 ドムです
【飲み方】 若干の加水から割りはご随意に

 

 

  

かつて「クリアがザクならリッチブレンドはグフ」と評しましたが、ディープブレンドはドム(ラベルも紫だし)のクオリティはあると思います。あえて別の表現をするなら「プアマンズ余市」でしょうかw 香りや樽感は奥に余市が感じられました。若い余市の原酒がキーモルトなんでしょうか。そこに伊達で感じたグレーンの甘さを少し加えてバランスを取っている気がします。

個人的には結構気に入りました。もちろん主力としてはやや力不足感は否めませんが、少しの加水で十分味わえますし、もともとの度数が45度もあるので割ってもそんなにボヤけたりはしないでしょう。そろそろ暑さも本格化し、割って飲む機会が増えます。この夏、ディープブレンドと付き合ってみることにしましたw

余談ですが、オフィス近くのスーパーでブラックニッカ8年の在庫がここにきて何故か充実するという謎な現象が起きています。恐らく店の仕入れ担当の趣味全開なんだと思いますが、その心意気に感じて近いうちに1本買ってみたいと思います。ディープブレンドとの比較をしても面白いかもしれません。