夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

ポールジロー トラディション

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何となくですが定番どころはある程度紹介したことにしてw、今回からはより個人的な家飲みボトルを続けていきたいと思います。初っ端はウイスキーですらなく、ブランデーになりますw 今ではグレープジュースの方で有名かも知れないポールジロー、本業は由緒正しきブランデー製造になります。

ブランデーでもコニャック地方で製造したものをコニャックといい、さらにコニャック地方のグラン・シャンパーニュ地区で製造されたものをグラン・シャンパーニュと言いますが、ポールジローは数少ないグラン・シャンパーニュを製造する蒸留所です。中でもトラディションは700mlのスリムなボトルで5,000円前後、手始めにグラン・シャンパーニュを試すにはちょうどいいボトルでしょう。

少し優雅に開封してみます。爽やかな皮つきのブドウの香りが広がります。とても華やかですね。口に含むとやっぱり皮ごとのブドウの味わいです。甘さはひかえめ、さりとて辛口ではありません。度数が40%もあるとは思えないですね。余韻はウイスキーとは異なるもので、優しくフルーツ感を漂わせて消えます。

ブランデーと聞くとこってりコテまろ系の味わいを予想する人が多いと思いますが、ポールジローは皮つきの葡萄の香り、味わいが感じられるすっきり爽快系のコニャックです。よく昔の映画にあるガウンを着て片手でシャム猫を撫でながらブランデーグラスをクリクリさせながら飲むのではなく(どんな例えだw)、そのままの葡萄を味わうものと言えるでしょう。

  

  

もちろんトラディションは熟成年数が8年前後と言われ、若さは感じます。ただ、シロップやカラメルなどの添加物なし、濾過もせず加水のみというポールジローのこだわりが、心地よいキレのあるコニャックという独自性に一役買っています。この切れ味のあるポールジローの特徴は熟成が進んでも健在で、30年ものも飲みましたが味わいの方向性はトラディションでも十分感じられるものでした。

私は本格的にコニャックを飲んでるわけではありませんので、家飲みではポールジローとジャンフィユーのローテーションで十分満足できています。ポールジローは若い年数から個性がハッキリ出ますね。ジャンフィユーは熟成が進むとより個性が伸びていく感じがします。いずれも美味しいですね。

でもまあ、外で飲むならデュピュイの70年代なんですよねえw