サントリー、ニッカ、キリン グレーン比較
来月にサントリーから新発売となる「知多」、これで国内3社からグレーンウイスキーの定番ラインが揃うことになりました。そこでというわけではありませんが、これら3社のグレーンウイスキーのおさらいをしてみたいと思います。
ものすごくザックリ言うと、大麦からできるのがモルトで穀物からできるのがグレーンです。グレーンの特徴はわかりやすい甘さにあります。香りも味わいも甘い。一方で味わいの深さや余韻はあまりない感じです。飲みやすいという人もいれば、物足りないと言う人もいるでしょう。
とはいえ、ブレンデッドの構成に欠かせません。美味しいグレーンが美味しいブレンデッドを支えているのです。そんな各社のグレーンはどんな特徴があるのでしょう。
(ところでバーボンって5~8割がトウモロコシ=穀物だからどっちかって言うとグレーンウイスキーに大別されるんですかね?)
まずはニッカのカフェグレーンです。六本木での期間限定イベントのストーリーバーで飲みました。甘さの軸はバニラ系、フロム・ザ・バレルや伊達、ブラックニッカ8年あたりで色濃く出ている感じですね。どちらかというとねっとりとした甘さが特徴です。
続いてサントリーの知多蒸留所特製グレーン。もともと限定品だったのですが、「知多」の量産化にあたり再販はないでしょうね。甘さの軸はベリー系、もろに響に通ずる香りと味わい。「響の上澄み」という表現をしてもいいでしょう。ニッカグレーンと比べてかなり上品な甘さが特徴です。
最後にキリンの富士御殿場蒸留所シングルグレーンです。通販でしか買えませんが、一度は買う価値があると思います。甘さの軸はハチミツトースト、キリンのブレンデッドはあまり飲まないのですが富士山麓からは感じませんでした…(どのウイスキーに使ってるんでしょうね?)ほのかにではありますが、今回の3つの中で唯一余韻が感じられました。
各社グレーンの甘さを一言で表現すると、
ニッカ :バニラ
サントリー:ベリー
キリン :トースト
です。
個人的にはトースト感が好みなので、単純な味わいだけなら富士御殿場蒸留所シングルグレーンを選びます。が、キリンの通販サイトDRINXでは500mlで5,400円、700ml換算だと7,500円もするので悩みどころですね。7,500円あれば値上げした竹鶴17年も買えますから…
何となくですが「シングルモルト>ブレンデッド>グレーン」みたいな順序感があります。私自身もそうです。しかしながら本来そこに貴賤はないはずです。先日飲んだザ・ニッカ40年にもグレーンの香りと甘さがしっかり効いていました。響30年にも和馨にもグレーンは効いています。美味しいグレーンは確かにあるということですね。御殿場グレーン25年は今一番飲みたいウイスキーのうちの1つです。
そんなわけで9月に発売となるサントリーの新商品「知多」に期待しています。もっとも、良心的な価格設定に加えてハイボール推しのマーケティングから察するに、値段なりの味わいなのかなあ、とは思います。質と値段がまともに比例するサントリー、いい意味で期待を裏切ってくれると嬉しいのですけれど…w
(参考)グレーンウイスキー3社比較 ※税抜価格
サントリー 知多 700ml 3,800円(9月新発売)
ニッカ カフェグレーン 700ml 6,000円(9月に値上げ)
キリン 富士御殿場蒸留所シングルグレーン 500ml 5,000円