夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

キリン ブレンド体験セミナー

先日、茅場町で開催されたキリン主催のウイスキーのブレンド体験セミナーに参加してきました。簡単な説明、ブレンド体験、質疑応答で2時間半、参加料は4,000円ほどでした。

 

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ビールが主力のキリンにおいて、セミナー参加者から「キリンってウイスキー作ってたんだー」と言われるぐらいに存在感のないウイスキー事業。今年に入ってのラインナップのモデルチェンジや新商品もなく、不動の構えを見せるキリンは何を目指しているのか。

 

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ブレンド体験はこんな感じ。別途販売しているブレンド体験キットですね。グレーン3種(ヘビー、ミディアム、ライト)とモルト2種(フルーティ、モルティ)の計5種をブレンドしてオリジナルのブレンデッドウイスキーを作るというもの。

ブレンドするにあたって重要なのは、コンセプトやストーリーを決めること。どんな背景、どんな意味を持たせてウイスキーを飲むかを決めることで香りや味わいの方向性が決まる、と。ウイスキーのような嗜好品に限らず、プレゼン資料でも大事な目的設定ってやつですね。

 

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私のブレンドはこちら。余韻のトースト感が欲しかったので、テイスティングでフルーティタイプのモルトモルト1)をキーモルトにすることは決めていました。あと富士御殿場蒸留所シングルグレーンのキーグレーンであるミディアムタイプのグレーン(モルト2)とバーボンに近いヘビータイプのグレーン(グレーン1)を中心にしてバランスを取りました。

1時間ぐらいのブレンドで3種類ぐらいはテストできます。5%配合を変えるだけでもかなり味わいが変わること、ブレンドは足し算ではなく引き算も発生することなど、改めてではありますが色んな気付きがありました。わずか5種類でこれですから、数百種の原酒を相手に商品化まで持っていくブレンダーには頭が下がりますね。

セミナーそのものは有料ということもあり終始和やか。年齢層も幅広く、20代から60~70代までいらしていたかと思います。あと若干名の女性の姿も。テストブレンド後、ボトリングしたオリジナルウイスキー200mlとあといくつかのお土産がありました。

ブレンド体験のあとはブレンダーに質疑応答。私の質問は「センシティブなご質問ですねw」と言われた、今後の商品戦略について。原酒の在庫が逼迫している中、コモディティは富士山麓の拡販、コア層は今回のようなセミナーで囲い込み、フラッグシップ商品については含みを持たせる感じ…でした。富士山麓18年も終売ですし、ここは少し難しいんでしょうね。

もっとも、「軽井沢が好きだったんです。もう軽井沢は作らないのですか?」という剛速球な質問を無邪気に投げ込んだ女性の方が私などより余程センシティブな気がしたのですが…w 「メルシャン出身のブレンダーにその質問するんだ」と肝を冷やしました…まあ、内心は「うっは、もっと訊けw」だったんですけどねww

 

  

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とここまで書いておきながら、セミナーに参加した理由が「御殿場グレーン25年が試飲できるだろう」だったなんて誰にも言えない…w そして前回は試飲できたらしいのに今回はできなかったこと!がっでむ!御殿場グレーン25年なんて店頭どころかバーですら見ないはぐれメタルだよ…しかも高いので未飲では手を出すのが怖いんですよ…

たまらずスタッフさんに訊いたら「前回はブレンド体験と長熟系のテイスティングも一緒にやったら時間が長くなってしまったので、今回は分けたんです…ですがテイスティング会も企画していますのでそちらにも是非!」と見事な営業切り返し。そこは「是非ともお願いします」とジェントルな対応で。

あー、御殿場グレーン25年飲みたかったなー。