夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

アベラワー アブーナ

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スコッチを続けます。スペイサイドのほんのり系、アベラワー。ただし、今回はほんのり系のアベラワーとは思えない、驚きの個性を持ったアブーナです。スリムなボトルが特徴のアベラワーにあって、デデンとしたボトルが一際目を引くこのアベラワー アブーナ。アブーナとは「起源」って意味らしいですね。

700mlのボトルは8,000円ほど。辛口のオロロソシェリーで仕上げたノンチルのカスクストレングスで、バッチごとに度数は上下しますがおよそ60度前後のようです。ちなみに手元にあるボトルのは60.1度。なかなかの度数ですね。色はかなりの赤みを帯び、見た目からもシェリー感が漂ってきます。

開封してみます。ドカンと飛び出る濃厚なシェリーの香り。ハイプルーフ感はありません。これは驚きです。口に含むと香りそのままにバチーンとシェリーが広がり、同時に当然のごとく押し寄せるパワフルなアルコール感。60度はダテではありません。余韻はオロロソのピリリとした辛口感と60度が長く続きます。

初めて飲んだときは驚きましたねえ。60度のハイプルーフなのに甘い系シェリー、でも辛口!という。標準的なウイスキーの度数が40度ですから1.5倍。それなのにストレートでも飲めてしまう味わいの深さ。レーズンのような甘さが特徴であるアベラワーにあって異端とも言うべきアブーナ、まさにシェリーの鉄槌です。


【香 り】 シェリーの砲丸投げ
【味わい】 シェリーとハイプルーフデンプシーロール
【余 韻】 辛口シェリー
【短 評】 シェリーのトゥールハンマー
【飲み方】 ストレートでもいけますが倒れます

  

  

さすがに酔います。この度数でスルッと飲めてしまうのは反則でしょう。あまりにも個性が際立っているので少々飽きがくるのは否めませんが、そのパワフルさは多少の月日では落ち着きません。真夏に飲むのはさすがに躊躇するものの、割ってもその個性が失われることはないでしょうね。

聞けばアベラワーはフランスで人気のボトルらしいです。あくまで個人的な感想ですけど、ボトラーズにせよオフィシャルにせよラテン系(例えばフランス、イタリア、スペインなど)で評価されているものは総じて美味しいと思います。お酒だけでなく、料理も美味しいからでしょうか。このアブーナもやはり美味しい1本だと思います。