夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

グレンファークラス21年

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ここ数回続けてきたシェリー系シリーズも一旦は〆になります。〆はシェリー系ではマッカランと並び称されるグレンファークラス。いまだ家族経営を維持するグレンファークラスは市場に左右されることなく、それゆえ長熟モルトを豊富に抱える魅力的な蒸留所です。私もお気に入りの1つ。

ファークラスは中価格帯までにいくつかのボトルを用意していて、それぞれに個性があるのでお気に入りの1本を見つけるのが比較的容易です。穏やかな12年を始めとして、力強い105(よく飲みました)、バランスが抜群の17年と佳作だらけなのですが、今回はより熟成が進んだ21年にします。700mlのボトルで9,000円前後、次の値上げでは大台超えでしょうね…

開封してみます。濃いシェリー、様々なフルーツが来て、そのあとにハチミツトーストが追いかけてきます。とても豊かな香りです。口に含むとバニラ、焦がしたナッツ、レーズンと心地よい甘さが多層に展開します。余韻は深いトースト感とビターチョコが続く…落ち着き払ったバランス感、長熟の玄関口。

非常に穏やかなウイスキーです。105のような個性爆発系ではありませんし、シェリー感満載ってわけでもありません。ただとても味わいが豊かで実に心地いい熟成感を味わえる、しみじみと「美味いなあ」と思わされるボトルです。飲んでるうちにウトウトしてしまう、飲むラリホーのような魅力がありますw


【香 り】 シェリー、ハチミツ
【味わい】 バニラ、レーズン
【余 韻】 トースト
【短 評】 シェリーの北斗有情拳
【飲み方】 ストレート

  

  

ファークラス17年のベストバランス感と比すると、21年は熟成により振った印象です。グレングラント30年あたりから感じられる落ち着きが既にあるという。まあこの落ち着き感を求めるか否かで評価は分かれると思います。ファークラスにはグレンリベットのような落ち着き感を求めてるところがあって、それゆえに21年なのかなあという気がしています

ファークラスは流通している弾も多く、バーでも色んなボトルを楽しむことができるのもいいですね。個人的についつい頼んでしまうのが角瓶の15年です。このボトルは高騰する前に確保しておけばよかったなあ、と。かつて鄙びた酒屋で見つけたんですが、鋭い妻の眼光に負けてしまったことがいまだに心残りです…w