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夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

サントリー オールド 特級

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何だか流れ的にベーシックが来ているような気がしますので、今回もその流れに乗ってみたいと思います。戦後、日本のウイスキー市場を開拓し席巻したサントリー・オールド。ローヤルよりも古く、戦後まもない1950年に発売開始、最盛期の1980年には年間1,240万ケースを売さばくモンスター商品に成長しました。今では酒屋の棚でも隅に追いやられ、CMも作られなくなって久しい位置づけになってしまいましたが、往時の輝きはどれほどだったのでしょう。

そんなわけで用意したボトルがこれ、サントリー・オールドの特級です。大阪築城400年まつり記念ボトル(日本酒メインの酒屋の片隅にポツンと置いてました。それにしても何故これを仕入れたんでしょうねw)ですが、まあ中身は同じです。この築城400周年まつりそのものは1983年に開催されたらしいので、30年ぐらい前のボトルになります。

開封してみます。ほんのりとしたザラメのような甘さ。渋みも少しあり、熟成感はあまりありません。口に含むとシロップのような甘さが感じられます。そこからの広がりはさほどありませんが、飲み口はスムースです。余韻は薄っすらとトースト感が現れてすっと消えます。加水するとよりはっきりと香りの甘さが膨らみます。設計的に当時の主流な飲み方である水割りかロックを前提にしているのでしょう。

正直、現代の個性的なシングルモルトを飲むことができる環境に慣れると、物足りなさを感じてしまうのはやむを得ないことだと思います。が、スムースな飲み口は食中酒として食事の邪魔をせず、ノスタルジーに浸れば食後酒としても使える。このウイスキーが日本の高度成長を支えたのだ、という背景こそオールド最高の味わいのスパイスだと思います。


【香 り】 薄いザラメ
【味わい】 薄いシロップ
【余 韻】 ほのかにトースト
【短 評】 日本を支えたウイスキー
【飲み方】 水割りで浸る

  

  

オールドを飲むとどうしたわけか「夜がくる」を口ずさんでしまいませんか?w オールド全盛期を知らずともそれぐらいに浸透している、ウイスキー界No.1のテーマソングだと思います。味わいについてはローヤルと違って往時においてもスタンダードだったわけで、ぶっちゃけ今でもフツーです。居酒屋でもあまり見ませんし、スナックあたりで底堅く需要を充たしているのでしょうか。

オールド全盛期、当時のサントリーの生産能力を上回る販売量を記録していたのは何故?とか、グレンウイスキーって何?とか、今となってはそんな瑣末なことを突いてもしょうがありません。考えてはいけません、感じるのです!日本を支えたウイスキー、サントリー・オールドを!w 今やコンビニでも売られているオールドのボトルを手に取り、そんなノスタルジーに想いを馳せてそっとボトルを棚に返す...そこまでが様式美。