夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

響17年

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響は比較的取り上げているのですが、よく考えたらど真ん中のボトルが抜けていたのでそれにしたいと思います。響17年です。ご存知の通り、響は1989年にプレミアムブレンデッドラインとして発売されましたが、当初は年数表記がありませんでした。ただ17年相当の原酒を中心にブレンドされたと言われることから、響17年はその源流を汲む正当な後継ボトルと言っていいかと思います。

この響17年、昨年の値上げ前は10,000円の値付けでしたが、値上がりを受けて15,000円前後になっています。在庫が潤沢にあった時期には7,000円ちょいで買えたので、それと比較するとほぼ倍の値段の感覚になってしまいました。響17年はまだかわいいもので、その上の響21年に至っては今や30,000円前後という実にかわいくない値段になっていることから、家飲みの響として17年の存在感が相対的に増していると思います。

開封してみます。花や柑橘類の華やかな香り立ち、奥にキャラメルの甘さに確かな樽感。多層な香味の構成、知多グレーンがいい仕事をしていますね。口に含むとスムースに、レーズンやドライフルーツの甘さが控え目に溢れてきます。余韻はクッキーやナッツが顔を出し、次第にウッディネスが心地よく続きます。少しの加水で香りと味わいの甘さが開き、複雑で奥深いウイスキーであることを教えてくれます。

一発芸的な12年とは一線を画し、本格的な響の味わいが楽しめるのはやはりこの17年からだと思います。味わいの厚み、深み、熟成感。一方で爽やかさも残しており、飲み方を選びません。ストレートやロックのみならず、水割りやハイボールでもその美味さは安定しています。まさに響のスタンダード、ジャパニーズブレンデッドの完成系の1つと言っていいかと思います。


【香 り】 柑橘類、樽感
【味わい】 レーズン
【余 韻】 クッキー、ウッディネス
【短 評】 オザーさんのラフマピアコン2
【飲み方】 ロック

  

 

この響を例えるなら(例えなくてもいいんですけどw)、小澤征爾率いるボストンフィル、ツィマーマンによるラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番でしょうか。いや、個人的にラフのピアコン2はラフマニノフリヒテルアシュケナージなどの情緒たっぷりロシア~ンな演奏と重厚なオケが絡む方が好みなのですが、この響に関してはツィマーマンのピアノを前に出した小澤征爾指揮の軽快なラフマなイメージです。

サントリーの幅広いラインナップの中で一番好きなのは響です。(一方でニッカは余市ですね)白州も好きなのですが、同じ値段なら響を買いますね。歴代のサントリーのブレンダーはこと響に関してはいい仕事をしているなあ、と感じています。これでジャパニーズハーモニー、12年、17年、21年と一通り取り上げました。それぞれのボトルに意味と役割があり、どれか1つを選ぶのは難しいですね。全部美味しくいただこうと思います。

あ、ジャパニーズハーモニーだって居酒屋で飲むと美味しいんですよw