【企画もの】 サントリー響 5種比較(ジャパニーズハーモニー、12年、17年、21年、ゴールドキャップ)
企画ものです。サントリーが誇るプレミアムブレンデッドライン、響。1990年の発売以降、ブランド力を高め今やサントリーの金看板の1つまで成長しました。海外からの評価も高く国際的な金賞は常連、需要も旺盛で特に21年や30年はプレミアムがついて品薄状態が続いています。
そんな響ですが今回はこの4本、左から既に終売となった12年、17年に初期の響、そして21年です。この他にも限定品となるメロウハーモニーやディープハーモニー、17年50.5などがありますが、これらはいずれも目が飛び出るぐらいのプレミアム価格がついており、今や手が出るものではなくなってしまいましたw
まずはベンチマーク(としていいか微妙なところですが)となる響のエントリーボトル、ジャパニーズハーモニーです。味わいはといいますと、ざっくり
香り:知多グレーン
味わい:ハチミツ
余韻:薄っすらとミズナラ?
こんな感じです。響的な要素はありながら、いかんせん若さと未成熟さが隠し切れない切なさが同居するボトルですね。居酒屋で飲む分には充分ウマいと感じるのですが、今やサントリーの金看板にまで成長した響に相応しいかといえば…どうなんでしょう?
続いてはジャパニーズハーモニーが発売されるまでエントリーボトルを担っていた12年です。この12年には随分とお世話になりました。その味わいはといいますと、ざっくり
香り:フルーツ盛り
味わい:梅
余韻:ラムネ
こんな感じです。響12年はラインナップの中で少し系統の違う構成で、華やかさに全振りした感じですね。例えるなら大阪フィルが奏でるチャイコフスキーのピアノ協奏曲1番。パンパカパーンって表現すればわかりやすいですかねw
どんどんいきましょう。響の中核にあたる17年です。本格的な響が味わえるのはやはりこの17年からになるでしょう。味わいはといいますと、ざっくり
香り:柑橘類、樽の熟成感
味わい:レーズン、ドライフルーツ
余韻:クッキー
こんな感じです。香りの華やかさを残しつつ、味わいの厚み、深み、熟成感は確かなものに。ストレートからハイボールまで飲み方を選ばぬ万能選手です。例えるなら小澤征爾のボストンフィルによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。ロシア~ンではなく、軽快なピアコン。
ここで少し外れて響の発売当初のボトルです。当時は熟成年数の記載はありませんでしたが、定価が確か1万円前後、原酒としても17年相当を使用しているという話ですね。味わいはといいますと…
香り:樽感、バニラ
味わい:樽感、干しレーズン
余韻:トースト
です。現行の17年に比べて熟成感や味わいの深みがある一方、華やかさや甘さは控えめって感じです。その時々の原酒の質・量に加えて消費者の好みの移り変わりもありますからね。
〆は21年。落ち着きのある黒いラベルが特別な響であることを強調しますね。定番品ではほぼ最上位に位置するのがこの響21年でしょう。味わいは…
香り:フルーツ盛り、レーズン
味わい:フィナンシェ、ドライフルーツ
余韻:ハチミツトースト
です。間違いなくウマいですね。21年は華やかさより熟成感を明らかに前に出してきてますね。深み、厚みともに申し分ありません。例えるなら、ムラヴィンスキー率いるレニングラードフィルによるチャイコフスキーの5番。ムラ様はガチです。
響は今や国内のみならず世界的な評価を受けるに至り、需給バランスは大きく傾いています。需要に対する供給は原酒不足を受けて目にえて逼迫、それに伴う値上げにつぐ値上げにより、響は価格的にも立派なプレミアムウイスキーになりましたw
一転、世界市場に目を向ければ(日本市場でもそうですけど)シェアの大半を占めるのはブレンデッドであり、そのブレンデッド界の巨人たるバランタイン、ジョニーウォーカーのプレステージ、クオリティや市場のカバレッジは他の追随を許しません。国内勢において対抗できるのは響を擁するサントリーしかない状況です。
シングルモルト市場は限られており、企業として考えればサントリーの主戦場はブレンデッドだと思います。約束された品質、安定した生産・供給体制、高いブランド価値。課題は山積みですし、値上げも痛いですが終売よりはマシです。クオリティの高いウイスキーを作り上げることは難しく、それを維持し続けることはさらに難しい。サントリー、そして響にはその難題を是非とも乗り越えて欲しいものですね。
【お・ま・け】実は響30年も手元にあるんですよねえ。贔屓のチームがビッグタイトルを獲ったとき用に買ったのですが、まだ開封できないでいます...w 早く開けて飲みたいですけどね!まあそれぐらい響を応援してるってことです(なんだそれ)