余市ヘビリーピーテッド・余市15年比較
新旧余市のノンエイジ比較は昨日やりましたので、今度はヘビリーピーテッドの比較をしてみたいと思います。ベンチマークとしては、価格帯的にも味わい的にも余市15年が相応しいと感じたのでこれでいきます。
◆おさらい
ここはサラリといきます。
◇余市ヘビリーピーテッド
香り:ヘビーピート
味わい:ナッツ
余韻:Oh...スモーキー
甘さ控えめ、ビターな大人モルト。
◇余市15年(あ、まだレビューしてなかったw)
香り:樽感、ピート
味わい:チョコ、バニラ
余韻:バタートースト、硫黄
高級温泉旅館でいただく和菓子。美味過ぎ注意報が出るレベル。
◆前提条件
ヘビリーピーテッドが12,000円程度、対する余市15年は10,000円ながら値上げがなされていたとしたら14,000~15,000円(40~50%の値上げ、竹鶴21年と同程度)になっていたでしょう。そう考えると、原酒の質的にはわずかに余市15年の方が上なのかもしれません。
こんなイメージです
ヘビリーピーテッド 12,000円
余市15年(値上げ) 14,000円
◆結果は…
方向性が変わってしまって比較にならなかった新旧ノンエイジと違い、ヘビリーピーテッドは余市の保守本流、かつクオリティも高かったので比較が成立しました。連続で企画倒れにならずに済んでホッとしていますw
結論としてはズバリ、
「好みで言えば15年、ただしクオリティは甲乙は付け難い」
です。
ざっくりとした要素別に分解すると、
ピーティ・スモーキー・樽感 … ヘビリーピーテッドに軍配
甘さ・余韻の長さ・熟成感 … 15年に軍配
味わいの深さ・まろやかさ … 差し戻し
って感じです。
私は甘党なので、甘味が強い方を好む傾向にあるだけですね。クオリティはほぼ互角、序列を決めるのは野暮ってものでしょう。
余市ヘビリーピーテッド、余市15年ともに美味しいウイスキーでした。いや、“かなり”美味しいウイスキーです。クオリティの部分で余市10年と比べることは難しいですね。同じ理由で余市20年とも比較はできないです。改めて余市20年は別格と言えるでしょう。
一方で垣間見えるのはコク旨系原酒の枯渇です。ヘビリーピーテッドはうまくビター感を演出して露呈させてはいませんが、新余市での塩原酒っぷりを見るに長熟原酒不足は明らかでしょう。そんな苦しい台所事情の中、48度のプルーフを感じさせないまとめ方はお見事とも言えるのですが。
「これが余市なんです!(原酒ないの、新余市はゴメンね!)」
というニッカの叫びを受け取った気になりました。
私はヘビリーピーテッド飲んで「許した!」って思えるようになったのですw
※どうでもいい余談
ヘビリーピーテッドをゲットできなかった知人が「飲ませろ」とうるさいので、会う前に飲み切らないように少しペースは控えめに飲むことにしますw