夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

サントリー 響 (古いの)

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今回もオールドボトルといきましょう。これまた余市ハントの際に捕獲したのがこのボトル、響のオールドボトルです。このとき他にもはバランタイン12年ゴールドシールとホワイトホース エクストラファインもあったのでついでに買ってホクホクでした。(バランタイン17年のオールドボトルもありましたが、それは放流しました…)

今でこそ世界的ブランドに成長した響ですが、商品ラインとしては比較的後発で、1989年のサントリー創業90周年を記念して発売されています。なのでブランドとしては30年足らず、60年戦士のローヤルからすればまだまだ若造といったところでしょうw

開封してみます。現行よりも深い樽感と熟成感から始まり、次いで奥からバニラのような甘さがじわじわ広がってきます。華やかさよりも重厚感が前に来ていますね。口に含むとこちらも樽感が来て、その後にレーズンの甘さと渋みが。まろやかに、コクのある味わいです。余韻も深めにトースト感。現行のような華やかに甘さ溢れる響ではなく、熟成感と重厚さを強調した構成ですね。

このボトルは1989年の発売初期のものだと思います。この頃はまだ原酒に余裕があるせいか贅沢な味わいがありますね。発売当時の価格は1万円前後だったと記憶しているので、今で言う響17年相当でしょうか。華やかな香りや甘さは現行17年の方が上ながら、味わいの深さやコクはこのボトルに軍配。ブラームスの1番のイメージに近いのはこのボトルですね。現行はチャイコな感じですw いずれにせよ サントリーの本気を見せてくれる1本です。


【香 り】 樽、バニラ
【味わい】 樽、レーズン
【余 韻】 トースト
【短 評】 ブラ1ですね
【飲み方】 ストレート、水割り

  

 

ウイスキー市場がバブル経済のビッグウェーブに乗って最高売上を誇った80年代後半、そこからの90年代はまさに激変期でした。酒税法の改正、バブル崩壊からの価格破壊、輸入スコッチの関税撤廃…バブル崩壊による市場環境の悪化に追い討ちをかけるスコッチの値下げで国内メーカーは減産を余儀なくされます。それが回りまわって現在の原酒不足の主因となるのは何の因果か…

またこのボトルに限ればコルクキャップの構造に難があり、液面が低下したボトルも少なくありません。また悪しき「洋酒は横置き保管」慣習の残滓でコルキーなボトルもあって、正直なところ状態のピンキリ度は結構高めです。それでもなお、また見つけたら買ってみようかと思わされるクオリティはあるボトルです。ああ、やっぱ響うめえわw