夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

グレンフィディック18年

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前回のローヤルつながりと言いますか、やはりベーシックのよさってあるよなあ...ということで、今回もグッとベーシックに寄ってみたいと思います。スコッチのシングルモルトの原点、グレンフィディックです。1960年代、シングルモルト販売の草分けとなったグレンフィディックは今やシングルモルト売上世界一、堂々たる国際ブランドです。

歴史あるグレンフィディックは熟成10年前後から40~50年ものまでラインアップしています。生産能力はシングルモルトの中では抜きん出ており、販路もしっかりしているせいか熟成年数の割りにはリーズナブルな価格設定です。今回はらしい味わいが深く出始めるグレンフィディック18年、少し古いボトルでエンシェント・リザーブにしてみました。

開封してみます。熟したイチジク、柑橘類のさわやかさ、樽感が優しく漂います。口に含むとドライフルーツのようなほのかな甘さ。余韻はバーボン樽の熟成感からのこんがりトースト。華やかさはありませんが真面目で実直、まさに王道と呼ぶにふさわしいボトルですね。

個性的かと言えばそうではありません。今や世界各国でモルトが熟成され、個性と個性が競い合う時代です。その中にグレンフィディックを放り込むと確かにパンチは感じません。ただ、それでも世界で一番売れてるのには理由があるんだなあ、と感じさせてくれます。毎日がスペシャルである必要はない、安定した品質こそがベーシックである、と。


【香 り】 イチジク、柑橘類
【味わい】 ドライフルーツ
【余 韻】 トースト
【短 評】 王道
【飲み方】 ストレート、少しの加水

  

  

確かに!グレンフィディック12年は薄い気がします。いえ、実際薄いです。バーで飲んでも「ん?」と思わずラベルを見返してしまうほどですw 飲み慣れてくると物足りなくなる味わいなんでしょう。(似たようなグレンリベットは12年でも好きなのですが)しかしながら15年、そして18年と熟成が進むにつれ、あの薄かったグレンフィディックが本気を出してくるのです。

グレンフィディックを抱えるウィリアム・グラント&サンズは経営手法も特徴があり、シングルモルトバルヴェニー、ブレンデッドのグランツなども保有するグループ企業ながら、独立系の家族経営を続けています。かつていち早くシングルモルトを販売し、合従連衡によるグループ経営の昨今の流れにもしっかりと乗っている。この経営力は注目に値しますね。