夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

バランタイン12年(古いの)

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ひっそりと続けているバランタインシリーズです。あまりにド定番過ぎていま一つウケはよくありませんが、個人的に気に入っているのでめげずに続けていきますw 今回はファイネストと並び売上の主軸を担うバランタイン12年、の古いのです。明治屋の従価特級のボトルですね。1980年代ぐらいのものでしょうか。

今はシングルモルト全盛の世の中なので、お店でもバーでもメインのショーケースはイチオシのモルトがズラリと並び、ブレンデッドは片隅に追いやられています。しかしながら国内外を問わず販売量的にはほとんどがブレンデッド。何とも妙な話ですが、いずれブレンデッドの復権があると見越して、今日もしみじみとバランタインを飲むとしましょう。(なにこの無理やりな導入)

気にせず開封してみます。厚みのある熟したイチジクの香りが広がりがったあと、薄っすらと奥にハーブの爽やかさも感じます。現行の香りとは別物ですね。口に含むとナッツ、ビターチョコ、ドライフルーツなどの濃厚な味わいが幾重にも。余韻はリコリスからのトースト感が心地よく続きます。

改めてではありますが、現行の12年とはまた別物ですね。12年ものとは思えないほどの落ち着き、アルコール感もなく、安心と信頼のうまさでしょう。同じバランタインの12年でもゴールドシールはたる感やドライさを前面に出したブレンドでしたが、この時期の12年は実にバランタインらしいバランタインです。


【香 り】 イチジク
【味わい】 ナッツ
【余 韻】 程よいトースト感
【短 評】 やっぱりバランタイン
【飲み方】 ストレート、少しの加水

  

  

多くの銘柄において10~12年ものってとても大事だと思うんですよね。初めてその銘柄を飲むのにいきなり20年ものとかに手を出す廃人はそんなにいなくて、多くの場合エントリーラインから試しように飲み始めるもの。継続的な顧客を獲得するために、限られた条件(原酒の熟成年数とコスト)の中で個性と質を表現しなくてはならない。

そういう観点からこのバランタイン12年を飲んだら...と想起すると「やっぱりバランタインは外せなくなるよなあ」と思ってしまうようなクセのある味わいがありますね。数多あるブレンデッド銘柄の中でもバランタインが現在に至るまで支持され続けているのは、確かな品質の裏付けがあったからだ、といういい証左だと思います。