夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

竹鶴21年

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久々に竹鶴を取り上げてみたいと思います。今回は定番ラインとしては最も熟成の進んだ竹鶴21年です。値上げ前は8,000円ぐらいで買えていましたが、今や15,000円に消費税がつくのでほぼ2倍な感じです。値上げに慣れてきたとはいえ、毎回ギョッとさせられますねw

余市、宮城峡のエイジドものが終売となって以降、ニッカの熟成ものが味わえるのはこの竹鶴シリーズだけになってしまっています。それだけで貴重に思えてくるとか、中身は前と変わりがないのに不思議なものです。特にこの21年は個人的にとても気に入っているボトルになるので余計にですね。

開封してみます。心地よいピートが香り、そこに余市を感じられます。続いて豊かにナッツ、そして宮城峡のフローラル感。口に含むとまろやかに、アーモンドやビターチョコのような厚い甘味が広がります。余韻はピート、深いコクが長く続いて伸びやかに消えていきます。華美さはありませんが、実に味わい深いウイスキーだとわかります。

宮城峡の華やかな香り立ち、グレーンのハッキリとした甘さ、余市の深い落ち着きとコク...アタック感はほとんどなく、口当たりはまろやか。ニッカのリソースのいいとこ取り、完成度の高さといい仕事っぷりが感じられるいいウイスキーだと思います。個人的にはかつての12年の並び、竹鶴シリーズにおけるベストバランスかと。

 

 
【香 り】 余市のピートと宮城峡の花感
【味わい】 ナッツ盛り
【余 韻】 深いコク
【短 評】 代表の正GK
【飲み方】 ストレート、若干の加水

 

 

 

 

余市、宮城峡のエイジドものが終売になるという衝撃な発表から1年近く経ちました。当時は原酒リソースを竹鶴に集中させる旨の内容でしたが、その竹鶴もエイジドものの供給は不安定になりつつあります。21年や17年を店で見かける頻度も明らかに減っており、竹鶴もNA一本化がいつ宣言されても不思議ではない雰囲気です。

これはどうしたことでしょうか。NA化は世界的な流れとはいえ、もう少しどうにかならなかったものなのか、と。相次ぐ値上げに非難の声も多いサントリーですが、それでもラインナップは維持しています。値上げは確かに厳しいものの、それでも残っていれば楽しめます。竹鶴は実によくできたブレンデッドです。よくできている故に、仮に終売となればダメージはより大きなものに...