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夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

富士御殿場蒸留所シングルグレーン

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続いてもグレーンウイスキーといきましょう。ニッカ、サントリーと来ましたのでキリンの「富士御殿場蒸留所シングルグレーン」です。これは店頭ではほぼ見ないですね。キリンの通販サイト、DRINXで販売しています。限定発売というわけでもなく、500mlのボトルは5,400円でした。

前々より「グレーンならキリン」という評価も耳にしていましたし、サイトではグレーンの25年ものも販売している力の入れよう。(何と30,000円もします!)消耗戦を強いられる店頭販売競争には参加せず、確実に利益の取れる値付けで欲しい人だけに販売する手法は大メーカーの一部門という位置づけのなせる業。まあグレーンウイスキーを通販で買うって人もそんなにいないでしょうしね。

あまり特徴のないボトルを開封してみます。グレーンにありがちなまったり系ではなく、上品な甘さがフワリと漂います。富士山麓以下キリンのブレンデッドは久しく飲んでないので何だか新鮮ですね。口に含むと甘くない砂糖のような甘さが広がります。味わいの深さは例によってそれほどありませんが、余韻は麦っぽさが残ります。

同じグレーンウイスキーでもニッカのカフェグレーンなら伊達やブラックニッカ8年、知多蒸留所特製グレーンなら響といった構成要素的楽しみ方ができます。が、前述の通りキリンのブレンデッドを久しく飲んでいないために「ああ、この味だ」とはいかないものの、単体のウイスキーとしては御殿場グレーンが一番好みだと感じました。


【香 り】 澄んだ甘さ
【味わい】 和三盆
【余 韻】 トースト感
【短 評】 地方の名門女子校
【飲み方】 加水~割り

  

  

キリンといえば既にして富士山麓の一本足打法という印象だった上に、幻の主砲と言われた18年も終売することになり、軽井沢蒸留所の閉鎖も踏まえてシングルモルトからは手を引く姿勢のようです。まあ利益的にはそんなにおいしくないと言われるシングルモルトを時間かけて作るより、麒麟麦酒が構築した販路にハイボール向けのブレンデッドを卸した方が利益は見込めるのでしょう。

私は軽井沢を常飲していたわけではありませんし、閉鎖した蒸留所への無条件な愛情も持ち合わせているわけではありませんが、(蒸留所に限らず、事業が継続できなくなるのには相応の理由があると思っています)どうにもならない不況下にあったとはいえ、閉鎖は回避できなかったものなのか、とはいまだに思います。まあ、あの景況感の中で買い手がいたかは微妙なところではありますが…

そんなキリンに対する少しのもやもや感はさておき、この富士御殿場蒸留所シングルグレーン、ノンエイジのグレーンとしてはとても美味しいです。