夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

オーバン14年

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最近は比較的ブレンデッドを取り上げる機会が多かったので、今回は久々にスコッチのシングルモルトで行きたいと思います。チョイスしたのはハイランドの佳酒、オーバン14年です。オーバンはモエヘネシーディアジオにおいてプレミアムモルトの一角を担う、有力な蒸留所の1つです。

とは言ったものの、そんなメジャーでもないんですよねえ。フツーのお店ではまあ売ってないです。加えてオーバンはあまりラインナップを増やすことはせず、基本的にはほぼこの14年のみのセールスになっていることからも、話題になりようがないって感じです。

開封してみます。確かなピートにスモーキーさも伸びてきます。次いで奥からふわりと甘さも。口含むとドライフルーツ、おだやかにジンジャーのような芳醇さも。余韻はオーク、ピーナッツバターにトースト。程よく甘く、程よくスモーキー。コクや余韻もまた程よい。

一言で表現するなら「ちょうどいい」ウイスキーですね。スコッチに含まれる要素をバランスよく設計したらオーバンになったって感じの。ズバ抜けた個性はないものの、飲む人を選ばないベースがちゃんとあります。このベースがあるが故にどんな飲み方をしてもウマい。


【香 り】 ピート、スモーキーさ
【味わい】 ドライフラワー、ジンジャー
【余 韻】 ピーナッツバター、トースト
【短 評】 オバンってw
【飲み方】 敢えてのハイボール、マジおすすめ

 

 

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バランタイン21年

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今月もバランタインです。少し昔のボトルが続いていたので、現行ボトルになる21年にします。歴史あるバランタインの中でこの21年は最も新しく、2007年にラインナップに加えられたニューカマーになります。バランタインといえばファイネスト、12年、17年、30年ってイメージが強くありますが、よく考えたら17年の次が30年ってのも間すっ飛ばし過ぎな気もしますし、間を埋める一手としては妥当なところでしょう。

とはいえラインナップ的には間を埋めた感のある21年ですが、市場の認知度はあまり埋め切れたとは言えず、まだ評価を確立しているとはいい難い状況のようです。日常的にバランタインを飲んでいる私ですら「今さら21年と言われてもねえ…」というのが本音のところ。酒販店でもバーでも所在なさ気で主力感はいまだ発揮できているようには見えません。それが今の21年の立ち位置です。

そんな21年を開封してみます。穏やかに香草やリンゴの酸味が爽やかに香ります。口に含むとまずナッツが広がり、奥からレーズンが。実にまろやかな口当たりですね。余韻はスパイス、次いでビターチョコが程よく伸びて消えます。少し加水をしてみるとクッキーのような味わいやトースト感が余韻に出てきて厚みを感じさせてくれます。とても飲みやすく、クセのないウイスキーですね。

正直ストレートだと物足りないかな?と感じましたが、加水で味わいが開くあたりさすがはバランタインの21年、なかなかに奥が深いブレンデッドだと思います。相性がいい飲み方としてはまずロック、水割りなんかも美味しくいただけるかと。暑い時期に贅沢なハイボールにしてもいいかもしれませんね。バランタインは肩ひじ張らずに思い思いな飲み方をすればいいんですよね。


【香 り】 リンゴの皮
【味わい】 ナッツ、レーズン
【余 韻】 ビターチョコ
【短 評】 少しの加水で目を覚ます
【飲み方】 ロック、水割り

  

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