夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

サントリー ローヤル

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飛行機はANA派です。かつてはそこそこのヘビーユーザーだったので、今でも空港のANAラウンジが使えます。今回はちょっと掟破りですが、ラウンジ飲みの紹介といきましょうw ちょくちょく変わってる記憶があるラウンジのウイスキー、今はサントリーローヤルです。写真はスリムボトルですが、700mlのボトルなら2,500~3,000円ってとこだと思います。

かつてサントリーのフラッグシップを担ったローヤルもさらに上位となる響の発売、山崎・白州といったシングルモルトの普及にともない、その地位を年々低下させています。CMも久しく作られておらず、マーケティングもあまり力を入れてもらっていません。往年のエースの球のキレはもう現代に通用しないのでしょうか?

開封してみます。ハチミツのような甘く華やかな香りが漂います。響でも感じる知多グレーンの上品な香りがここにもありますね。一方でピートはありません。口に含むと甘酸っぱい青リンゴのような味わいが。こちらもグレーン由来の甘さが先にきて、スパイスが続きます。余韻はほんのりとバニラ、最後にトースト感が薄らと。

時代とともにレシピも変遷しているとは思いますが、ローヤルが発売された1960年(実に50年以上前です)当時のフラッグシップたる味わいの方向性が垣間見れます。穏やかに、ノンピートで、数種類の甘さを組み合わせたものを水割りかロックでゆっくりと飲むというもの。なるほど、水割りが一番美味しくなるのか。


【香 り】 ハチミツ
【味わい】 リンゴ
【余 韻】 少しのトースト感
【短 評】 女学校卒の女史
【飲み方】 水割りかロック

 

  

個人的にはアリ、だと思いました。クセはないですし、ピートも樽感もない。響のような複雑さやシングルモルトにあるような味わいの深さや厚みもありません。穏やかに、ひたすらに飲みやすい。これが1960年の味わいです。シングルモルトを日常的に味わうようになったのなんてここ十数年の話。違うモノサシなんですね、元から。

確かに「高級酒」だと思うと物足りない部分は多いですが、「実売2,000円台のブレンデッド」だと思えばいいウイスキーだと思います。日本は欧州とは気候風土が違いますからね。水割りが美味い季節もある。クセがないから食中酒にも使えます。かつてのフラッグシップという位置づけを再構築すれば、まだまだ活躍できる場所はあると感じました。