夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

響 ジャパニーズハーモニー

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前回の響21年に引き続き響シリーズといきましょう。昨年3月に満を持して発売された、サントリーが誇るプレミアムブレンデッド響のエントリーラインとなる、ジャパニーズハーモニーです。居酒屋などでは幾度か飲んだことがあったのですが、帰省の際に親父との「飲んだことある?」「ないなあ」という気の抜けた会話を経てつい買い込んでしまいました。

美しいカットの700mlのボトルは何と3,400円ほど。都内だと4,000円はするのでなかなかリーズナブルな買い物でしたね。ジャパニーズハーモニーは発売当初から積極的な告知が行われ、大きなイベントも各地で行われました。一方で値上げ前の響12年とほぼ同等クラスの価格設定に早くから懸念の声があがっていたことも事実。果たして価格と味わいはバランスしているのでしょうか。

開封してみます。知多グレーンの甘い香りがまず広がります。同時にアルコール感と若さ、香料のようなものも。口に含むとほのかにハチミツの甘み、奥に柔らかくアーモンドも感じられます。余韻は爽やかにミズナラ、少しのトースト感と若さが混在します。響らしい上品さもある一方、奥行きの乏しさや若さもそのままに出ていますね。

限られた原酒の中で精一杯、響らしさを演出しようとした努力は感じられます。安定の知多グレーンで香りの部分はまだ表現できていますが、味わい以降は予算的に使える原酒の質を大きく超えるものには至っていないという印象。価格に目を瞑ればそう不味くはないのですが、今やサントリーの金看板にまで成長した響の名はやや重たいな、と。居酒屋で飲む分には十分ウマい部類に入ると思います。


【香 り】 知多グレーン
【味わい】 ハチミツ
【余 韻】 薄っすらとミズナラ
【短 評】 ゲネプロ
【飲み方】 ロック、水割り、ハイボール

  

 

今や響は国際的にも金賞の常連になり、評価と需要は高まる一方です。そんな中で発売されたこのジャパニーズハーモニーは国内のみならず、世界市場商品という役割も担っています。響らしさを残しつつ、旺盛な海外需要も充たす商品開発はなかなかに難しいミッションだったかと。そうした背景を理解しつつも、このジャパニーズハーモニーをリピートするかと言えばノーと言わざるを得ません。

最大のネックは価格と質のバランスです。このクオリティで実売4,000円は高いと感じました。その上、先日発表された値上げ対象に何と発売して1年も経っていないジャパニーズハーモニーが含まれています。この値上げによって実売は5,000円程度になると思われます。現在の価格ですらマッチしていないと感じているのに、正直なところ「マジっすか」としか言いようがありませんw