【バー飲み】 ザ・ニッカ40年
このブログは家飲みのことをつらつら書くのが主旨なんですが、稀に浮気するときがあります。(twitterではちまちまと書いてるんですけど)イベント感のある一杯のときはどうしてもその傾向が出てしまいますね。
そんな一杯こそ、ニッカが誇るブレンデッド、「ザ・ニッカ40年」です。もう詳しい説明は必要ないかと思いますが、
・ニッカ創業80周年記念
・余市1945年原酒
・宮城峡1969年原酒
・売価50万円
というぐうの音も出ないスペシャルなボトルになります。2014年に発売し瞬殺、今ではプレミアがついて軽自動車が買えるぐらいの値になっているようです。いつもは1万円札を握りしめてお酒屋さんでうんうんとボトルと睨めっこしてる私からすれば大変な選択ですw
オーダーを通すと馬鹿デカい化粧箱とともにテーブルに置かれた1杯のグラス。そのグラスのシーンだけを切り取れば見慣れたものなのに、何故か興奮を隠しきれません。
少し落ち着かせてから香りを確認します。ドライフルーツ、フレッシュフルーツ、熟したフルーツ、バニラにチョコ、樽感が溢れ出てきます。複雑でありながら輪郭はハッキリしている。なんということでしょう。既に言葉もありません。口に含むと一転して穏やかな味わい、砂糖を焦がしたような上品な甘味が伸びていきます。
余韻が本当に凄まじい。深く濃いトースト感とピートがどこまでも続き、それだけでもう大満足の納得感。しかしながらここから本番で、最初に香りで感じたフローラルが突如ブワブワブワッとそれこそ鼻腔まで広がります。「うおお、二段ロケットかよ、すげえな」とか驚いていると、最後に先ほどのフローラル感が3倍ぐらいのカタマリになって口の中で爆発します。
フローラルの爆発はどこまでも伸びていきます。余韻をじっくりと堪能し、目をようやく開くと同席していた連れが「お前、気持ち悪いw」の一言。訊けばいい歳したオッサンが小刻みに震えながら薄ら笑いを浮かべていたとのこと。それは確かに気持ち悪いです。「んじゃあ、お前も飲んでみろよ」と飲ませてみたら、同じように笑いながら震えてましたw
…改めて読み返してみても大げさで気持ち悪い文章ですねw
まあでもこれが嘘偽りない感想なので、このままにしておきます。一つ、面白いなと思ったのは、このザ・ニッカ40年にしっかりとニッカグレーンの甘みがあることです。裏面を見れば「モルト・グレーン」の表記。ピュアモルト「竹鶴」ではなくブレンデッド「ザ・ニッカ」であること、ありのままのニッカがここにあるんだな、と思ったりしました。
ふと「ザ・ニッカ40年の余韻を他のもので例えたらなんだろう」と考えを巡らせてみたところ、私の答えは「PLの花火のフィナーレ」でした。大阪の人にしかわかっていただけないでしょうけど、PLの花火は世界最大級の花火の1つで、特にラスト1分半のスターマインからのフィナーレだけで1万5,000発を打ち上げる無茶をするのですが、それと同じような感覚を味わったと感じています。
(PL花火のフィナーレはyoutubeで見れます。もっとも、PLも近年はお金がなくて、10年ぐらい前から年々ショボくなってしまいました。2005年ぐらいまでのフィナーレはそれこそ夜空を真昼にして焦がすぐらいの迫力があったものです)
まあそれはさておき「ザ・ニッカ40年」、ウイスキーという範囲を超えて至福の一時を約束してくれます。個人的には、例えばアメックスのブラックカードをポンと渡されて「1本だけ買っていいよ」と言われたら「響30年」と答えてたと思いますが、この日より即答できなくなりました。いやあ、ホント衝撃的でした。
この日はソサエティも飲んだりしてたんですけど、一緒に飲んだのがザ・ニッカ40年だったのが…このソサエティも唸るぐらい美味しかったんですけどね。しっかし余市とこれだけ変わるんですねえ。
(さらにおまけ)
これは飲んでません。あと1ヶ月、楽しみにして待ってますw