夜は琥珀色 ~家飲みウイスキーのことなど~

しみじみとウイスキーのお話を

バランタイン30年

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かような零細ブログにお越しいただきありがとうございます。ひっそりと潜行運用をしておりましたが、年内のボトルはこれにて打ち止め(まとめみたいなのはやります)とさせていただきます。今年のトリに何がいいかなと思案しておりましたが、やはりそれなりのものが適当であろうということで、ブレンデッドの最高峰であるバランタイン30年(のやや古いの)でいきたいと思います。

世界的ブレンデッドブランドであるバランタインが誇るフラッグシップ、それがこのバランタイン30年です。限定品でもなく、オフィシャルラインアップとしてバランタインプレステージをずっと支えてきました。酒税変更で値頃感が増したバランタイン12年や17年は今やお手軽感すらありますが、この30年は一線を画す存在としてバランタインのブランドを守り続けています。

開封してみます。フレッシュなフルーツ、ドライフルーツ、熟したリンゴとまずはフルーツバスケットのような香りが立ち上がり、次いでおだやかに樽感が漂ってきます。口に含むとどこまでもまろやかに、レーズンやハチミツのような深ーい甘みが広がります。余韻はまずフローラルな華やかさのあとにナッツの熟成感がどこまでも長く続きます。

ああ、うまいなあ、と。もの凄く個性があるわけではないんです。同じ長熟ブレンデッドであるザ・ニッカ40年のような溢れんばかりのフローラル感があるわけでもなく、響30年にあるような重厚で緻密な味わいの深みがあるわけでもない。穏やかにまろやかに、スッと染み入ってからジワジワと深みが広がっていく。ホント、クセになる味わいです。


【香 り】 フルーツ盛り
【味わい】 深いレーズン
【余 韻】 どこまでも続く熟成感
【短 評】 うまいの一言
【飲み方】 ストレート、少しの加水

  

  

バランタインのオフィシャルのラインアップはファイネスト、12年、17年、30年に21年が加わって充実の一言です。が、バランタインの本家本流といえばやはり17年と30年でしょう。レッドラベルやブラックラベルでも個性があるジョニーウォーカーとは異なり、穏やかな味わいのバランタインはある程度熟成が進んでからが本番です。晩成型なんですね、きっと。

あんまり詳しいことはよくわからないのですが、バランタインはこの30年ものを1960年代ぐらいから現在に至るまで発売しているようです。ということは、50年以上に渡って30年超の原酒を切らさずに保有しているということになります。サントリーが誇る響30年の発売が1997年なので、その差は30年超。原酒の管理、品質の管理、ブランドの管理。最高のものを出すこと以上に、最高のものを出し続ける難しさ、凄さ。バランタインが世界最高峰のブレンデッドであることは、こうした積み重ねの結果なんですね。